水道水が危ない(6月議会一般質問)
クリプト対策のために地下水を
買田池の浄水場に持っていくのは、
有効なのか。
(以下、6月定例議会一般質問内容)
善通寺市の水道水は
臭くてまずいといことで有名です。
臭みのひどいときには、
顔を洗おうと水をすくっただけで、
ムーと臭みが鼻を突く、
それほどに臭い時期もありました。
現在は、活性炭を使うなどして、
だいぶ改善されて来ているようですが、
臭みが完全になくなったわけではありませんし、
おいしい水になったと
云える代物ではありません。
この臭い水、おいしくないということだけでなく、
問題なのは、
それを飲み続けるのが
健康によくないと云うことです。
水道水は
塩素消毒するよう水道法で
義務づけられているのですが、
この塩素消毒が問題を引き起こすのです。
塩素と水の中にある有機物が反応して、
トリハロメタンと総称される発ガン物質が
できてしまうのです。
塩素と有機物が反応して有機塩素化合物が
合成されます。
その合成される有機塩素化合物は
200種類以上あると云われています。
その内、その正体が分っているのは
半分くらいです。
発ガン物質であるトリハロメタンは、
200種類も合成される有機塩素化合物の一つなのです。
有機塩素化合物には、
健康に害悪を与える物質が多いのです。
有名なダイオキシンも
有機塩素化合物の一種です。
臭みのある水とは、
有機物がたくさん溶け込んでいる水ですから、
これに塩素が加わると
トリハロメタンなどの有機塩素化合物が
多く生成されていることになるのです。
ですから、
この水、臭い、まずいだけでなく、危険な水なのです。
ところで、善通寺市民、
全員がこの臭い水を飲んでいるわけではありません。
この臭い水は
買田池の水が配水されている地域であって、
生野本町、文京町など市の中心部、
あるいは西部地区などに供給される水は
この池の水ではありません。
この地域には地下水と香川用水を
ブレンドした水が配水されています。
地下水は
きれいな水なのでろ過せずに少量の塩素だけ添加し、
香川用水と混ぜて、
そのまま配水されています。
ですから、
この水を飲んでいる市民は
比較的おいしい水を飲んでいます。
また、地下水は汚れていないので、
つまり、溶け込んでいる有機物が少ないので、
塩素を添加しても、
トリハロメタンなどの有害な有機塩素化合物は
ほとんど合成されません。
安全なのです。
だから、おいしく感じるのかもしれません。
さて、問題は、この地下水、
この水が買田池の水と混ざって
配水されそうな雲行きに
なってきていることです。
今年度の予算で、
配管工事費が約1億円計上されました。
これは、
地下水を買田池の浄水場に引き込むための工事です。
この工事が完成すると
これまで地下水と香川用水のブレンド水が
配水されていた地域にも、
買田池の水が混ざって配水されることになるのです。
これまで、
おいしくて安全な水が提供されていた地域にも、
臭くて危険な水がブレンドされて
供給されることになります。
では、なぜ、このようなことをするかというと
クリプト対策のためと当局は説明しています。
クリプト対策とは、
クリプトスポリジュームという病原菌、
この菌は塩素消毒が効かない菌なので、
ろ過処理をして
その菌を取り除こうと云うわけです。
ところで、このクリプト菌、
いま地下水の中から検出されていると
云うことではありません。
その可能性があるから、
それを取り除く対策を事前に取っておこうとしているわけです。
そこで、質問致します。
まずお聞きしたいのは、
地下水がクリプトに汚染される危険性が、
1億円ものお金をかけて配管工事をして、
対策を取らなければならないほどに高いのか
どうかということです。
1996年、厚生省生活衛生局水道環境部水道整備課の
暫定対策指針では以下のように云っています。
「 水道水の濁度が0.1度以下で維持されていれば、
特段の問題はないと考えられる。
これ以外について、
水道水源の汚染のおそれがある場合の予防対策・・などを定める。」
として、
「 1.クリプトスポリジウムによる水道原水の汚染のおそれの判断」は
水道の水源の近傍上流域に、
人間又は哺乳動物の糞便を処理する施設等の排出源が
ある場合には、水道原水の糞便による汚染の有無を把握し、
クリプトスポリジウムによる水道水の汚染のおそれがあるかどうかを
判断する。」となっています。
以上のような厚生省の指針に照らして、
善通寺の地下水にそのような危険性が有るのか否かです。
危険があるとの認識から今度の対策を採ろうとしていると
思いますが、
具体的に、どのような汚染の恐れがあるのか
教えていただきたい。
第二にクリプト菌の害虫としての危険性についてです。
アメリカ政府直属の疾病(しっぺい)管理予防センターの
クリプトに関するQ&Aでは
以下のように云っています。
質問:どんな症状が出るのですか?
回答:感染すると下痢状態になる。腹痛、吐き気、
若干の発熱を伴うこともある。
質問:その治療法は
回答:多くの人は、何もしないでも、
免疫ができて治る。
質問:CDCは水道水からのリスクがあることを知っていながら、
なぜ、水を煮沸してから飲め、
あるいは、ろ過してから飲め、ミネラルウオ―タを
飲めと勧めないのか。
回答:CDCはそのような奨励を
国レベルで行なうつもりはない。
なぜなら、
蛇口からの水を飲むことによるクリプト感染のリスクは
他の経路による感染よりも非常に低いからである。
国全体に対して、そのような奨励をすることは、
個人に対して負荷が大きいだけでなく、高価である。
多くの場合、そのような奨励は不必要であり、
飲料水だけを注意することは、
他の重要な感染経路を無視することにつながり、
かえって有害である。
なお、このセンターは
この分野では世界で最も信用できると
専門家の中では評価されている機関だそうです。
さて、このような危険性しかないクリプト、
これに対する今回の対策は過剰反応、過
剰防衛とも云えるのではないかと思われるのですが、
いかがでしょうか。
全てが100%安全というものはありません。
様々な対策は
その対策によって得られる利益と
それにかけるコストとの兼ね合いで、
なされているのではないのでしょうか。
クリプトの存在確率も非常に低い、また、
感染したとしても、
それはペストやコレラのように
大きな危険をもたらすものでもない。
その対策に、1億円ものコストをかける。
費用対効果を当局は
どのようにご判断なされているのか。
お答えください。
第三に、このような対策、
つまり、地下水を買田池の浄水場に持っていって、
ろ過して、買田池の水と混ぜて配水した結果、
クリプト対策になるどころか、
反対に、これまで、
クリプトの危険性がほとんどなかった地下水が
クリプトの汚染に晒される危険が
高まるのではないかと云うことです。
といいますのは、クリプト菌というのは、
人間や動物の大便などの中にいる寄生虫なのですから、
その存在確率は地下水よりも買田池の水の中にこそ、
より高い確率で存在している。
その可能性の方がうんと高いのではないかと
推測されるのです。
買田池には
家庭排水などが直接流れ込んでいるのですから、
クリプト存在の確率は地下水よりも高いと
推測されるのです。
話しを分かりやすくするために、
仮定の数値を使って考えてみましょう。
地下水では、その存在確率が0.001%とします。
買田池での存在確率は0.1%とします。
ろ過することで除去されるのは99.9%と
云われていますので、
ろ過しても0.1%の存在確率あるいは
危険の可能性は残るわけで、
そうすると、
ろ過を通すことでクリプトの危険性あるいは存在確率は、
0.1%×0.1%=0.01%と云うことになります。
地下水をそのまま供給し使うと
危険率あるいは存在確率は0.001%、
買田池の水をろ過したら0.01%となり、
ろ過しなかった地下水をそのまま使う方が
より安全だということになります。
この危険性の数値は
地下水の汚れ具合と
買田池の汚れ具合とのバランスによって
変わってくるわけです。
地下水の危険性が0.001%でなく0.01%と高ければ
買田池の水をろ過したのと同じになり、
買田池の水の危険性が0.1%より低ければ、
ろ過水が安全となります。
ですから、この両者の危険性を比較した場合、
ろ過した方がクリプト存在確率が必ず低くなると
一概には云えないのです。
地下水の安全性はかなり高いので、
地下水をそのまま買田池の水と混ぜずに配水した方が
ろ過するよりも安全であると云うことも
大いにあり得ることなのです。
ですから、
地下水の安全度と買田池の水の安全度を
調査検査し、
その危険性を見積もって、
その優劣を考える必要があるのです。
その点をはっきりさせない限り、
地下水を買田池に持っていく対策が
有効な対策であると結論づけるわけにはいきません。
まったく、ムダ、
否、反対に悪い結果すら招くということにもなります。
そこで、お聞きするのは、
どのような根拠に基づいて、
地下水をろ過し買田池の水とブレンドするのが、
クリプト対策になると判断しているのか、
その判断基準をお聴かせ下さい。
以上の質問に対して、市当局は
正面からの答えをさけた。
異例にも、担当者の答弁の前に
市長がサット挙手して登壇した。
「細かな、事項については
事前の通告がないので答えられない」と
くぎを差した。
そして
担当者(水道局長)は
地下水を買田池の浄水場に
持っていき、ろ過することが
クリプト対策になることの
根拠は何も示さず
あいまいな答弁に終始した。
この質問の前に
局長と何回かの話し合いをしていたので
質問の趣旨は
十二分に伝わっていたはずである。


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